Debian 10.7 に WordPress をインスト-ルする。
ミドルウェアは OpenLiteSpeed、MariaDB で構成する。
*
LiteSpeed の設定は Apache と互換性を持っているが OpenLiteSpeed では制限されている。
具体的には『.htaccess』が Rewrite ル-ルしか使えない。
Apache から移行する際は利用している機能の代替が可能か調査が必要。
手順は下記の通り。
- Debian セットアップ
- OpenLiteSpeed、PHP インスト-ル
- MariaDB インスト-ル
- WordPress インスト-ル
1.Debian セットアップ
セットアップ手順は割愛。
但し、Debian 10.7 では日本語でインスト-ルしてコンソ-ルからログインすると文字化けする (コンソ-ルが ja_JP.UTF-8 に対応していない模様)。
ログインユ-ザ-の『~/.bash_profile』で下記スクリプトを実行する事で対応する。
case $TERM in linux) LANG=C ;; *) LANG=ja_JP.UTF-8 ;; esac export LANG
2.OpenLiteSpeed、PHP インスト-ル
1.LiteSpeed リポジトリインスト-ル
wget -O - http://rpms.litespeedtech.com/debian/enable_lst_debian_repo.sh | bash
2.OpenLiteSpeed インスト-ル
apt install openlitespeed
3.OpenLiteSpeed 管理者パスワ-ド更新
下記コマンドを実行して対話ダイアログより管理者情報を更新する。
/usr/local/lsws/admin/misc/admpass.sh
4.OpenLiteSpeed Web 管理画面ログイン
下記 URL へアクセスし Web管理画面へログイン出来る事を確認する。
http:// セットアップしたマシンの IP アドレス : 7080
*
自己証明書の為、アクセスにはリスクがあると表示されるが構わずアクセスする。
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ログイン後、右上の『English』を『日本語』に修正する事で日本語化が可能
5.PHP コンパイルインスト-ル
1.必須ライブラリインスト-ル
下記コマンドを実行して PHP コンパイルインスト-ルに必要なライブラリをインスト-ルする。
apt install gcc pkg-config build-essential libxml2-dev libssl-dev libmcrypt-dev libsqlite3-dev zlib1g zlib1g-dev libcurl4-openssl-dev libonig-dev libpng-dev libzip-dev
2.OpenLiteSpeed PHP のコンパイルを使用してコンパイル
OpenLiteSpeed Web 管理画面の『ツ-ル』→『PHP のコンパイル』をクリックして『PHP のコンパイル』画面を表示する。
『1 – PHPバージョンを選択』では最新バ-ジョンを選択して『次へ』をクリックする。
『2 – ビルドオプションを選択 for PHP 〜』では
『インスト-ルパスのプレフィックス』の末尾にコンパイルインスト-ルするバージョンを追記する。
例.PHP 7.4.12 の場合
『〜/lsphp7』→『〜/lsphp7412』
『パラメ-タの設定』に下記を追記する。
--enable-gd --enable-exif --with-zip --with-mysql-sock=/var/run/mysqld/mysqld.sock
『次へ』をクリックする。
『3 – ソースコードをダウンロード for PHP 〜』では『メインステータス: 正常に終了しました。』が表示されたら『次へ』をクリックする。
『4 – コンパイルとモニタ for PHP 〜』では表示されたコマンドラインをセットアップしているサ-バ-へログインして実行する。
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実行結果は『4 – コンパイルとモニタ for PHP 〜』で確認でき、『メインステータス: 正常に終了しました。』を確認したら次の工程へ移る。
6.LiteSpeed SAPI アプリコマンド修正
『サ-バ-設定』→『外部アプリ』→『LiteSpeed SAPI アプリ』の編集ボタンをクリックして『コマンド』を下記の通り修正する。
例.PHP 7.4.12 の場合
『lsphp73/bin/lsphp』→『lsphp7412/bin/lsphp』
再起動を促されるので再起動を行う。
7.実行 PHP バ-ジョン確認
下記 URL へアクセスし 『Test PHP』の『Click Here »』をクリックして表示される画面で PHP のバ-ジョンを確認する。
http:// セットアップしたマシンの IP アドレス : 8088
8.ImageMagickインスト-ル
WordPress で使用する ImageMagick をコンパイルインスト-ルする。
1.必須ライブラリインスト-ル
下記コマンドを実行して ImageMagick コンパイルインスト-ルに必要なライブラリをインスト-ルする。
apt install m4 autoconf libmagickwand-dev
2.下記コマンドを実行してコンパイルインスト-ル
wget https://pecl.php.net/get/imagick-3.4.4.tgz
tar -zxvf imagick-3.4.4.tgz
cd imagick-3.4.4
/usr/local/lsws/lsphp (コンパイルした実行 PHP) /bin/phpize
./configure --with-imagick=/usr/local/lsws/lsphpXX --with-php-config=/usr/local/lsws/lsphp (コンパイルした実行 PHP) /bin/php-config
make
make install
3.php.ini 編集
『/usr/local/lsws/lsphp (コンパイルした実行 PHP) /lib/php.ini』に下記行を追記する。
extension=imagick.so
expose_php=Off
date.timezone="Asia/Tokyo"
4.OpenLiteSpeed 再起動
下記コマンドを実行して OpenLiteSpeed を再起動する。
systemctl restart lsws
5.ImageMagick 確認
下記 URL へアクセスし 『Test PHP』の『Click Here »』をクリックして表示される画面で imagick がある事を確認する。
http:// セットアップしたマシンの IP アドレス : 8088
3.MariaDB インスト-ル
1.MariaDB インスト-ル
apt install mariadb-server
2.初期設定
下記コマンドを実行して対話ダイアログより MariaDB の初期設定を行う。
/usr/bin/mysql_secure_installation
3.WordPress 用の DB を作成する
下記コマンドを実行して WordPress 用の DB を作成する。
mysql -u root -p{root パスワ-ド}
create database WordPress 用 DB 名;
grant all privileges on WordPress 用 DB 名.* to WordPress 用 DB ユ-ザ-名@localhost identified by 'WordPress 用 DB ユ-ザ-パスワ-ド';
exit;
4.WordPress インスト-ル
本手順では Web サ-バ-に OpenLiteSpeed を使用しており、公開する バ-チャルホスト のファイル配置構成は自由に構成する事が可能である。
本例では OpenLiteSpeed インスト-ルディレクトリ『/usr/local/lsws』直下に
└Site
└公開するドメイン名を持つディレクトリ
├html
└logs
で設定する。
1.ディレクトリ作成
上記構成のディレクトリを作成する。
2.WordPress ファイル配置
『html』へ移動した後、下記コマンドを実行して WordPress のファイルを配置する。
wget https://ja.wordpress.org/latest-ja.tar.gz
tar -xzvf latest-ja.tar.gz
chown -R nobody:nogroup wordpress
rm -rf latest-ja.tar.gz
3.OpenLiteSpeed 設定
以降の作業は OpenLiteSpeed の Web 管理画面で行う。
1.Vertual Host 作成
『バ-チャルホスト』→『バ-チャルホストリストの右端の +』をクリックして追加画面を表示する。
下記設定を行ったら『バ-チャルホスト 右端のフロッピ-アイコン』をクリックして保存する。
設定項目 | 設定値 |
---|---|
バーチャルホスト名 * | 公開するドメイン名 |
Virtual Host Root * | $SERVER_ROOT/Site/$VH_NAME |
設定ファイル * | $SERVER_ROOT/conf/vhosts/$VH_NAME/vhost.conf |
スクリプト/外部アプリを有効にする * | はい |
抑制された * | はい |
*
初回保存時、設定ファイルが存在しないのでエラーとなるが『CLICK TO CREATE』をクリックして作成すると解消する。
作成したバ-チャルホスト名をクリックして以降の修正を行う。
2.一般
『一般』タブをクリックして各設定値を修正する。
一般
設定項目 | 設定値 |
---|---|
Document Root * | $VH_ROOT/html/wordpress |
ドメイン名 | * (必要に応じて適切な値を設定する事) |
管理者Eメール | サイト公開用のメールアドレス |
圧縮を有効にする | はい |
インデクスファイル
設定項目 | 設定値 |
---|---|
サーバーインデックスファイルを使用する * | はい |
自動インデックス | いいえ |
3.ログ
『ログ』タブをクリックして各設定値を修正する。
バ-チャルホストログ
設定項目 | 設定値 |
---|---|
サーバーログを使用する * | いいえ |
ファイル名 | $VH_ROOT/logs/error.log |
ログレベル | DEBUG |
ローテーションサイズ(バイト) | 10M |
保持日数 | 31 |
アクセスログ
設定項目 | 設定値 |
---|---|
ファイル名 | $VH_ROOT/logs/access.log |
ログヘッダー | Referrer、UserAgent、Host |
ローテーションサイズ(バイト) | 10M |
保持日数 | 31 |
圧縮アーカイブ | はい |
インデクスファイル
設定項目 | 設定値 |
---|---|
サーバーインデックスファイルを使用する * | はい |
自動インデックス | いいえ |
4.Rewrite
『Rewrite』タブをクリックして各設定値を修正する。
Rewrite 制御
設定項目 | 設定値 |
---|---|
Rewriteを有効にする | はい |
Auto Load from .htaccess | はい |
Rewrite ル-ル
RewriteBase / RewriteRule ^wp-admin/includes/ - [F,L] RewriteRule !^wp-includes/ - [S=3] RewriteRule ^wp-includes/[^/]+.php$ - [F,L] RewriteRule ^wp-includes/js/tinymce/langs/.+.php - [F,L] RewriteRule ^wp-includes/theme-compat/ - [F,L]
5.コンテキスト
『コンテキスト』タブをクリックして各設定値を追加する。
コンテキスト 1
設定項目 | 設定値 |
---|---|
タイプ * | Static |
URI * | /wp-config.php |
アクセス可能 * | いいえ |
コンテキスト 2
設定項目 | 設定値 |
---|---|
タイプ * | Static |
URI * | /xmlrpc.php |
アクセス可能 * | いいえ |
コンテキスト 3
設定項目 | 設定値 |
---|---|
タイプ * | Static |
URI * | /wp-login.php |
アクセス可能 * | はい |
アクセスが許可されました | アクセスを許可する IP アドレス / マスク長 |
アクセスが拒否されました | * |
コンテキスト 4
設定項目 | 設定値 |
---|---|
タイプ * | Static |
URI * | /wp-admin |
アクセス可能 * | はい |
アクセスが許可されました | アクセスを許可する IP アドレス / マスク長 |
アクセスが拒否されました | * |
コンテキスト 5
設定項目 | 設定値 |
---|---|
タイプ * | Static |
URI * | /wp-admin/admin-ajax.php |
アクセス可能 * | はい |
アクセスが許可されました | * |
6.Listner 作成
『リスナ-』→『リスナ-リストの右端の +』をクリックして追加画面を表示する。
下記設定を行ったら『アドレス設定 右端のフロッピ-アイコン』をクリックして保存する。
設定項目 | 設定値 |
---|---|
リスナー名 * | Port:80 |
ポート * | 80 |
セキュア * | いいえ |
作成したリスト名をクリック→『バ-チャルホストマップの右端の +』をクリックして下記の設定を行う。
設定項目 | 設定値 |
---|---|
バーチャルホスト * | 1.Vertual Host 作成で作成したバ-チャルホスト |
ドメイン * | * |
4.インスト-ル
下記 URL へアクセスし WordPress をインスト-ルする。
http:// セットアップしたマシンの IP アドレス
参考元
- Linuxねた帳 Linux Tips: コンソールでの文字化けを解消するには
- OpenLiteSpeed Install OLS from LiteSpeed Repositories
- デフよん Debian10(Buster)でOpenLiteSpeedをインストールしてLAMP設定
- デフよん OpenLiteSpeedのダッシュボードでPHP7.4のコンパイルをする
- OS.ManiaX OpenLiteSpeed+PHP7.4.13にImageMagickをインストール。
- Cannot find autoconf. Please check your autoconf installation
- unskilled PHPにPECLからImageMagickをインストールする
- OpenLiteSpeed Install: Quick Install WordPress on OpenLiteSpeed
- デフよん LiteSpeedのVirtual HostテンプレートでSSL A+なWordPressサイト構築手順